こんにちわ
今日は入門用のギター購入のお話ですけど、
今、ネットにはそんな情報がいっぱい溢れて、
僕も書きながら、結果として皆だいたい同じようなことを
言っていると確信しました。
情報にはだいたい3系統あって
- メーカーサイド
- プロサイド
- 購入サイド
あなた(ここには中級以上の方はあまりこないことを前提に)は
やっぱり最初はなるべくコストをかけないで始めたいと思っていますか?
それとも、「いや上手くなって上位機種を買うんだ」と
思っていますか?
それではそれぞれのサイドから入門ギターを見てみましょう
目次
プロ・アマ・購買者から見た初心者用ギターのそれぞれの評価のびっくり共通点
この三者は完全に立場の違う話になり、情報集めをしながら、
その温度差にちょっと笑えました。
メーカーサイド
これはもう絶対売れてくれないと困る立場なので、
当たり前ですが、とにかくデメリットは書きません。
メリットの情報の中には、皆さんにはわからない材や寸法の話も出ています。
これもこれだけこうだからいいんだというイメージ作りですね。
寸法が15mm短いと言われたってわからないですよね(笑)。
高級ギターと同じ天板(表側の板)を使ってますと言われても、
それだって扱いも違えばピンキリです。
あとはセット販売ですね。
必要なものが三つくらいなら
単体で買うほうが選択肢はあるけど
13品とか16品セットになっていて
「とりあえず買っておけばいいですよ」
となると面倒だから一式にしようという感覚も出てきますよね。
でもこれは決して悪いとは思えない良心的な売り方だと思います。
これがメーカーサイドの言い分です。
数本触っても、ここで良し悪しは言えないですが
値段相応だなというのが僕の見解です。
プロサイド
プロサイドはかなりクールです。
youtubeなどにアップしている情報が多いですね。
そこでびっくりの共通点は、みんなの言い方がとても似ていました。
「1万円のでもいいけど、もうちょっと出せるなら3万円のにした方が良い」
「3万円でもいいけど、もうちょっと出せるなら5万円の方がいいよ」
みんな、歯切れの悪い言い方でしたね。
そのニュアンスはとても言い得て妙で、
本当に正直な気持ちだと思います。
この言い方の本意は
「一番大切なことは、やめないことだから、
弾きづらいギターを選んでしまったら
その可能性が高くなるよ」
ということです。
もちろんギターを生業としている以上、あまり
「これは買うなっ!」という言い方はできないでしょうけど。
ローコストだから絶対やめるとも言えません。
購買サイド
これはもう、温度が違います。
欲しい、弾き語りしたい、この色がきれい! 等々
当然ですよね。
新しい世界に入っていくワクワク感はよくわかります。
店員の説明は興奮しているので半分くらいしか耳に入りません。
ずばり形と弾いた感じとか色が決定打になってます。
僕はそれでいいと思いますけどね。
(弾けなくてもです笑)
楽器屋へ行くことなど僕らはこれまで10回や20回じゃないですけど、
初心者の方はまず慣れない場所で、
しかも慣れないものを購入するわけで
かなり興奮状態だと思います。
なかなか正しい判断はできないかもしれませんが
それは楽しいひと時であることは間違い無いですね。
楽しんでください。
入門用アコギのデメリットとメリット
デメリット
- Fコードが抑えづらい
- 綺麗な音が出にくい
- 仕上げの荒さでフレットの切り口で指を痛める可能性がある
- ギターを諦める確率が高い
- 数年でネックが反る可能性がある
- ペグ(糸巻き)が悪く音が合わないことがある
ではなぜ『Fコード』が押さえづらいのでしょう。
この部分は本来手作業で調整をすることによって
弾きやすくなる部分です。
さらにネックや表面板がしっかりと乾燥されていないと
もともと強い弦の張力が板を曲げてしまいます。
乾燥させることもコストがかかりますから、
1年を半年にするとか、あるいは人工的に乾かしてしまうか
いずれにしても下げられるところはコストを下げます。
すると1、2年のうちに反りが出る可能性は高いです。
ヤマハなどはウェブサイトにも載っていますが、
とても気を使って作業をしています。
僕らでも0.3とか0.5mmとかを専門家に
調整してもらって弾きやすくしてもらいます。
それだけの小さな差を調整してもらうわけですから、
それ以上に歪んでしまう可能性のあるギターは弦高が高くなっていくわけです。
また、ペグが悪いと、弾いてて、チューニングが狂っていきます。
弾き方によっては狂いますが、それ以上に狂う可能性はあります。
すると合ってない音を聞いているうちに、
気持ちが悪くなって、何度も合わせているうちに面倒くさくなって、
そうなると、だんだんギターから離れていくという流れになります。
メリット
それでも入門用アコギが何でもかんでも弾きづらい、悪いとは言いません。
- セットであれば教則本やその他必要な小物が一度で揃えられる
- 購買の決断はわりと即決でできる
- 諦めた時に、心とお財布の痛手が少ない
- それほど執着がなく誰かに譲れる
※メリット・デメリットはすべてのギターセット、
ローコストギターに共通に言えるものではありません。
初心者の方の1番の不安は、やっぱり自分がちゃんと弾けるようになるかということですね。
だから、万が一やめても、まあこの額ならいいかというラインがこのローコストの金額でしょう。
止めることは前提にしてないでしょうけど。
教則VDVも最近は丁寧に作ってますから、独習もやりやすいと思います。
僕は教えながら必ず、手に触って、指の位置だったり、
角度だったり作ってあげますけど。
弾きづらさに関係なく、習得していく人ももちろんいます。
気持ちがあれば出来てしまうのも人間の底知れないパワーだと思います。
最初から、チューニングもバッチリですべてが完璧にはじめられる人はいないと思います。
小学生の時始めた僕も、周りも誰もやっていなくて、
何も情報もなくあるのは一冊の独習書だけでした。
ピックも知らず一円玉を使っていたし、
カポのようなものがあったらいいなぁといつも考えていました。
きっとチューニングもひどかったと思います。
最初に弾いた「バラがさいた」は
CとG7の二つのコードで弾けるもので
しかも1、2、3弦のみ使うコード、
つまりどちらも人差し指一つで押さえられるものでした。
それでも興奮して弾いていたのを覚えています。
入門ギターセット・ローコストギターはこんな感じに製作される
ネットの商品は触ることはできませんが、
でも楽器屋なら入門用ギターは触ることはできます。
その外見は、
- キラキラツルツルしてて
- 音もちゃんと鳴って
- かっこいいロゴもついて
- わりと額面以上に見える
ローコストギターほど、見えない内部のブレイシング(補強板)などは
かなり手を抜いているメーカーはあります。
だからと言って、それが理由で壊れることはないですけど。
最近は細部の塗装もよく塗られて、仕上げの技術はなかなかよろしくなっています。
ギターにあまり馴染みのない初心者の方には、とても高価なものに見えると思います。
この辺りで
「ああ、綺麗だし、いいんじゃないか、これで、値段も安いし・・・」
そうして店員さんが試し弾きなどされて、購入してしまうわけですね。
初心者さんにちょっと質問してみた
僕は新しい生徒さんには必ず一緒に楽器屋へ行ってギターを選んであげます。
本気でやるなら、10万円のギターの方がいいよ。どうして買わないの?
まあ、半分冗談ぽくですが、生徒さんにちょっと意地悪な質問をします。
それで初心者が高いと思う理由は、
- 本当に自分でもできるだろうか?
- 初心者には高くないだろうか?
- くじけたら恥ずかしいしもったいない
こんなところでした。全てその通り正直な気持ちです。
僕らにとっては飯の種なので、10万円も高くはないですけど、
初心者はそこで気持ちと価格の葛藤が起こるんです。
高い方が良いに決まってますが、
いろいろな理由で落ち着くところに落ち着きます。
弾きづらい入門用アコギを少しでも練習しやすくする方法
ギター中級くらいの人なら、そのギターがどれくらい弾きやすいかどうかは大体見分けることができます。
そういう人に「これは弾きづらいね」と言われたら
いくつかの方法で弾きづらいギターを補正することができます。
しかしこれはまだコードフォームが手にできてない人用のギターと思ってください。
- ギターのチューニングを半音(フレット1つ)下げる
- 1フレットにカポタストをつける
以上の片方、あるいは両方することによって
音は半音下がりるけど、何もしない時よりは確実に弾きやすくはなります。
これでしばらくは「Fコード」が弾けるようになるまで練習するのは
初心者にとってはいいと思います。
もしも、誰かと音を合わせる時はいつも半音分カポタストをつけておけばキーは合います。
それから(1ヶ月〜半年、人によって違います)慣れてきたら、
チューニングを元に戻してください。(別にそのまま使っててもいいです)
きっとその時、違和感はあると思います。
でもある程度コードフォームが身についていたら、
あとはまた練習です。
練習以外に上手くなる方法はないですからね。
大きな声では言えませんが、実は弾きすぎで腱鞘炎になり
左親指が一時期全く動かなくなりました。
それから治療をしたお陰で今はほとんど問題ないですが、
それでも半音下げたギターを使ってます。
指にかかる負担は全然違います。
お勧めのファーストギターは?
最終的に僕のおすすめは
同じ額を出すなら絶対に中古ギターです。
これはワンランク上が買えます。
中古という言葉にこだわりがなければお勧めです。
その優位点は
- 新品より木が乾燥している
- 弦とネックが馴染んでいる
- 手に取ると馴染んだ感じがする
- ある程度弾きやすく調整されている中古は多い
等々です。
ただ注意しなければいけないことは
- 店員さんによく話を聞く
- 外見の大きな傷など探す
- 定価でいくらしたか聞く
- 何年くらい経ったものか
- ネックの反りがないかを確認
- ボディのブリッジより後ろが膨らんでないか確認
ほとんどが店員さん頼みですが、特に5、6番は絶対に聞いてください。
ここは弦高を左右する大きなところです。
ギターセットやローコストギターが次第に弾きづらくなる原因はここですから。
最後にもう一つ違う観点から入門用ギターの選び方を紹介します
まあ、ごちゃごちゃ言わず、買える範囲で欲しいギターをゲットできればいいわけですよね。
そこで僕のフィーリング的ギター選択方法を書きますね
モチベーションがギター習得には一番なんです。
そのモチベーションを維持するためのギター選びです。
1 ボディを抱いて
太ももの上に乗せた時の重さと形を感じてください。
店員さんは3つほど見つけてくれると思いますから
それらを比較してみてください。
2 ネックは握手
ネックを握ってください。ネックはたくさんの種類があります。
でも手のひらの感覚はかなり小さな違いを感じてくれますよ。
握手すると気持ちのいい手のひらってあるじゃないですか。
上の方、中間、ボディに近いところ。
コードを弾くのではなく、そっと握ってみてください。
形、角度、仕上がりなどいろいろなものが
一瞬で手のひらから情報になって入ってきます。
3 外観はとても大切
暗かったり明るかったり、木の色、あるいはカラー塗料。
それによって音が変わるとか、あまり考えないで。
いいなと思った色を買ってください。
店員さんは、親切心であなたに情報を与え続けてくれるので
返ってそれがあなたの決定を鈍らせることがあるかもしれません。
だから、いいなと最初に思ったものを選んでください。
多分それは最初にそれを見た時に、決まっていたものです。
ファーストギターはそんなもんです。
世の中ではあなたに一番最良のギターがきっとあります。
でも買いに行って一番その店で気に入ったもの、
それが世界で今のあなたに一番のギターなんです。
それがギターとの出会いなんです。
まとめ
今回は
入門用ギターやギターセット、
そのメリットとデメリット
僕のお勧めギター
のお話をしてみました。
確かにギターの価格と弾きやすさはほぼ比例します。
ただ安価なギターが絶対ダメとは言いません。
僕らもコストパフォーマンスを同時に考え、
そのギターがいいか悪いかを判断します。
また、同じギターであっても個体差はあります。
最後は中古ギターというどんでん返しのお話になってしまいましたが
まず実際に訪れて自分の手で、そのギターの感触を自分の感覚で確かめてみてください。
長い付き合いになるわけですから、そのくらいはしてもいいでしょう。
最後までお読みいただきどうもありがとうございました。
皆さんのギターライフが少しでも楽しくなっていきますように